デジタルトランスフォーメーション(DX)による顧客体験の向上

DXの時代、デジタルプラットフォームへの依存度が高まるなか、企業は優れた顧客体験を提供する必要に迫られています。単なるテクノロジーの変化ではありません。DXは、従業員の働き方、顧客とのやり取りの管理方法、情報の収集と使用方法の変化が含まれます。DXが正しく行われれば、顧客満足度の向上や収益増加の機会など、多くのメリットがもたらされます。

 

顧客主導の変化

顧客サービスは、あらゆる実店舗型ビジネスの中心であり、顧客満足度を重視したサービスは、デジタルビジネスにおいても重要です。顧客は、貴社のビジネスがデジタルでのニーズに応え、アクセスする場所を問わず、最適な体験が提供されることを期待しています。

 

デジタル体験を求める消費者が ますます増えている

各業界のDXの中心には、顧客とニーズの存在があります。今日の消費者は、アクセスのしやすさ、利便性、パーソナライズ、効率性を求めています。テクノロジーに対する依存度が高まり、消費者は、一流のデジタルプレゼンスを求めています。

顧客と貴社のビジネスとの最初の接点がデジタルメディアであるケースが多いのではないでしょうか。顧客から直接アプローチされる場合でも、ソーシャルメディアなどのデジタル広告を通じて顧客にアプローチする場合でも、顧客は貴社が顧客との関係性を築くことを期待しています。

リアクティブな対応だけでは十分とはいえません。顧客とのつながりを積極的に構築しなければなりません。これを可能にするのが、ターゲティング、パーソナライズされたデータ主導のマーケティングです。顧客は、貴社が自分の購買習慣や嗜好を追跡・記録できることを知っています。自分との関連性の高いマーケティングや広告を期待しています。特にロイヤル顧客にこの傾向が強く見られます。

既存の顧客を満足させる努力は、収益に直結します。定期的に貴社のサービス・製品を購入する顧客は、貴社の新製品やサービスを試す可能性が、他の顧客と比較して50%高くなります。また、既存の顧客は、新規の顧客と比較して、製品やサービスに対する支出額が最大31%多いとされています。なお、新規顧客の獲得には、既存顧客の維持の5倍のコストがかかるといわれています。

貴社のビジネスが、現代のニーズに応えるデジタル顧客体験を提供していなければ、消費者は、ニーズに応える顧客体験を提供する他のブランドを選択することになります。

 

デジタルトランスフォーメーションとは?

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、業務の効率化、コスト削減、優れたサービスの提供などを目的に、ビジネスのさまざまな側面をデジタル化することを意味します。ビジネスや組織全体のDXには、全社的な業務の変更が必要になります。業界によっては、DXは、時短のためのプロセスの自動化や、倉庫管理ソフトウェアの導入などを意味するかもしれません。

DXの効果として、多くの企業において、顧客のエンゲージメントと満足度が向上しています。2020年のデロイトの調査レポートでは、成熟度の高い企業、すなわち、DXの成功によってビジネスに好影響が得られた企業は、純収益成長率が45%増加したと報告されています。

また、同レポートでは、成熟度の高い企業では、新製品やサービスの売上が29%増加し、営業・マーケティング機能の成功率が41%上昇したと報告されています。この調査結果は、DXが、あらゆるビジネスの成功にますます重要になっていることを示しています。

 

シームレスな体験を提供

顧客は、できるだけ楽に欲しい製品やサービスを購入したいと考えています。面倒で楽しくない手順を強いられるよりも、ストレスのない効率的な購買プロセスを提供する競合を選ぶかもしれません。提供する側が、自社のビジネスはわかりやすいと思っていても、顧客もそう感じているとは限りません。顧客中心のアプローチで、ビジネスのあらゆる側面を顧客の視点で見ることが重要です。

企業のあらゆる部門のあり方を、顧客サービスを中心に据えて考えます。顧客サポート部門など、1つの部門だけに顧客サービスを丸投げする企業は、顧客に不誠実な印象を与えかねません。自身のニーズが、企業のあらゆる部門やレベルで尊重されていると感じることは、顧客にとっての喜びです。

 

社内が一体となって顧客中心主義を推進することで、 お客さまにシームレスなデジタル体験を提供できる

テクノロジーを購入し、利用するだけでは十分ではありません。シームレスな顧客体験を提供するためには、技術を常にアップデートし、従業員のトレーニングを定期的に実施し、アプリケーションや技術スタックを常に評価する必要があります。

コンテンツを一元管理するクラウドソフトウェアをチーム全体で利用することで、ストレスのない、楽しい顧客体験の提供を可能にするために欠かせない顧客データへのアクセスが促進されます。顧客の取引履歴をすばやく確認できることで、顧客サービスチームの顧客対応がより適切なものになり、効率よくビジネスを成立させることができます。

 

顧客のペインポイントを知る

顧客のペインポイントを特定し、対処することで、消費者に対するサービスを向上させることができます。顧客のニーズや期待は、時間の経過とともに変化します。現在の方法が顧客のペインポイントの解決につながっているか否かを評価し、対処方法を適宜改善する必要があります。

ペインポイントの内容は、顧客によってさまざまです。しかし、一般的には4つのカテゴリに分類されます

  • 金銭面の問題
  • 生産性の問題
  • プロセスの問題
  • サポートの問題

顧客の金銭面のペインポイントには、通常、高額な会費や購読料、商品などが含まれます。商品やサービスの価格が適正かどうか、どうすれば顧客に商品の価値を理解してもらえるかを検討する必要があります。

生産性のペインポイントの代表的な例として、購買プロセスの複雑さがあります。この問題に対処するには、購買取り引きの間の顧客体験をいかにシンプルにできるかを検討します。

プロセスのペインポイントには、顧客が適切な担当者にコンタクトするまでに手間や時間がかかることなどの問題が含まれます。デジタル化を推進することで、問題の解決や質問への回答を提供できる適切な担当チームに顧客が容易にコンタクトできるような環境が実現します。

顧客は、十分な知識を持つ担当者と会話できることを期待しています。レスポンスが遅く、自社の製品やビジネスに関する知識が十分でない従業員は、顧客にサポート面でのペインポイントを生じさせてしまいます。顧客はさらに、場所やデバイスを選ばずに容易にコンタクト可能な状態を期待しています。DXの過程で、貴社は、チャットサービスなどのデジタル手法を導入し、多様なデバイスで顧客をサポートにつなげる必要があるかもしれません。

 

包括的・全社的な変革

ビジネスや組織のデジタル化には、組織全体の変革が必要になることが予想されます。顧客の期待に応えるには、さまざまな部門が連携することが重要です。DXを一部の領域に限定することはできません。顧客が、問題や懸念事項、提案、要望をサポートその他のフロントエンド部門と共有する場合に、情報はバックエンド部門の担当者にも伝える必要があります。デジタル化によって、複数の部門の連携が促進されます。

全社的な顧客関係管理(CRM)プラットフォームを導入することで、全関係者が重要な顧客情報やフィードバックにアクセスできるようになります。情報へのアクセス性を高めることで、全部門の意識合わせが容易になります。

DXを組織全体で実施し、顧客のペインポイントに効率的かつ適切に対処する顧客体験を提供することが肝心です。クラウドが重要なツールとなる理由がここにあります。

クラウドを利用することで、従業員のコラボレーションが容易になります。複数の承認を要する業界では、クラウドを利用することで、承認が必要な文書を迅速・安全に次のプロセスに渡せます。関係者がどこからでも容易に協力し合えるようになれば、顧客への迅速な成果の提供が可能になります。

 

非接触型セルフサービス

セルフレジやスマホアプリでの搭乗手続きなど、非接触型サービスを好む顧客が増えています。顧客の77%が、セルフサービスのサポートを提供している企業に対して、より好意的な見方をしています。

 

消費者は、デジタルなセルフサービスを提供する企業に対して より好意的なイメージを持つ

顧客が自身で問題を処理すること、自身でショッピング体験をコントロールすることを望む場合に、そのような顧客に、貴社に対するよい印象を持ってもらうには、どうすればよいでしょうか?答えは、自然言語処理、AI(人工知能)をはじめとするテクノロジーを活用して、セルフサービスの顧客体験をデジタル化することです。

顧客体験のデジタル化により、顧客は担当者と会話をするために待つ必要がなくなり、利便性が向上します。顧客の質問の多くは、リソースページやAIチャットを通じてオンラインで回答できます。

オンライン注文も、利便性を高めるデジタルな方法です。顧客は、担当者と話したり、レジの列に並んだりする必要がなく、また、店舗の営業時間に制限されることなく、ショッピングができます。

消費者はセルフサービスを提供する企業を求めています。貴社では、このような顧客の期待に応える準備ができていますか?

 

セキュリティの優先度を上げる

セキュリティは、あらゆる組織にとって常に優先されるべき要件です。顧客体験のデジタル化を進める組織が増えるにつれ、セキュリティの重要性が高まっています。顧客情報を保持する業界では特に、クラウドのセキュリティは重要です。

顧客は、金融情報や個人情報がサイバー攻撃やその他のセキュリティ脅威から保護されることを期待しています。クラウドプロバイダやソフトウェアが、暗号化やパスワード保護などの機能を備えていることを確認することは、極めて重要です。さらに、従業員に対しては、ソフトウェアの安全な使用方法や、潜在的な脅威の特定方法について、適切なトレーニングを行う必要があります。

 

旧式ソフトウェアの排除

テクノロジーの進化に伴い、サイバー脅威も進化しています。リスクを軽減するには、潜在的な脅威を理解することと、脅威に対応できるソフトウェアが必要です。セキュリティ対策として、現在の脅威を防ぐ最新のソフトウェアを使用するという方法もあります。

消費者は、特にアプリやWebサイトを利用する際に、モダンなデジタル体験を期待しています。旧式のソフトウェアは顧客にマイナスの印象を与え、情報のセキュリティに対する不安を抱かせるリスクを生じさせます。

 

CRM(顧客関係管理)と自動化

自動化は、現行のプロセスを合理化し、時間とコストの節約を可能にします。生産効率も向上します。容易に情報が得られるため、担当部門は、顧客満足度の向上や、人ならではのパーソナルなサービスを要する創造的な取り組みに注力できます。

リピーター、パーソナルな挨拶やカスタマイズされたレコメンデーションを受け取ると、大切にされていると感じる傾向があります。例えば、CRMを利用することで、組織内の営業やマーケティングの担当者は、彼らにとっての新たな顧客に対応する際に、ゼロから始める必要がなくなります。データがCRMに保存されるため、各顧客のニーズや嗜好にあった対応が可能になります。

クラウドテクノロジーの重要な役割

クラウドテクノロジーは、動的、柔軟、迅速な行動を可能にします。クラウドは、あらゆる顧客タッチポイントをつなぎます。CRMを介して、Webサイトやアプリのデータまで、顧客ベースの全体像を把握し、顧客のニーズを満たす方法をより的確に理解できます。

 

クラウドによるコンテンツ管理によって 情報へのアクセスが容易になり、 質の高い顧客体験を創出できる

クラウドを利用することで、組織はあらゆるコンテンツや情報を安全な場所に保管できます。関係者が、どこからでも同じ情報にアクセスできること、コンテンツを一元化してさまざまなアプリケーションからのアクセスを可能にすることなどのメリットにより、コラボレーションが容易になります。生産性が向上し、ワークフローが合理化されることで、従業員の業務効率がアップし、質の高いコンテンツ、製品、顧客体験を創出できます。

クラウドサービスは、以下の事柄を可能にします。

  • 営業提案書その他のデジタル資産の管理
  • モバイル営業部門の解説と運営
  • 人材の採用とオンボーディングのプロセスの合理化
  • 予算編成と契約管理の簡素化
  • 業務プロセスの一元化と自動化

クラウドテクノロジーは、顧客とビジネスのニーズに応えるために、組織にとって不可欠な要素となります。クラウドテクノロジーを活用することで、社内のあらゆる部門の従業員が協力しやすくなり、その結果、新しい革新的な製品やサービスの創造、取引の成立、顧客のペインポイントの解決をはじめ、さまざまな業務プロセスの合理化が可能になります。

 

価値を提供

世界はデジタル中心になりつつあり、消費者はデジタル体験を業界標準として捉えています。競合他社に対する優位性を維持し、顧客のニーズに対応していくためには、DXは不可欠です。顧客体験のDXなしでは、競合に遅れをとることになります。デジタル化は、業務を合理化し、組織をより効率的にします。

シームレスなオンライン体験を顧客に提供し、クラウド上の情報に迅速にアクセスできる担当者がいることで、顧客はケアされていると感じ、体験を楽しむことができます。顧客満足度が高まり、リピーター顧客が増え、収益の増大につながります。

 

パーソナルなタッチも忘れずに

消費者はデジタル体験を好んでいます。しかし、他者とのつながりを失うことを望んでいるわけではありません。たとえ顧客が貴社とデジタルでやりとりしていたとしても、個人的なつながりを感じてもらうことは可能です。

顧客体験をデジタル化することで、購入履歴、名前、連絡先、好みなどの情報を収集できます。これらの情報を活用し、各顧客向けにパーソナライズされた体験を提供できます。例えば、顧客の名前がわかっていれば、顧客がWebサイトやアプリにアクセスしたときの挨拶を容易にパーソナライズできます。このようなつながりを築く努力をすることで、顧客は貴社から大切にされ、感謝されていると感じ、顧客ロイヤルティの醸成とリピーターの獲得につながります。

 

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