イリノイ州エルジン市

クラウドの活用で行政サービスを改善

課題 

イリノイ州エルジン市(City of Elgin, Illinois)は、市民に対する行政サービスの改善を望んでいました。コンテンツは一元化されておらず、それが部門間のコラボレーションを妨げ、それによって、典型的なお役所仕事が常態化していました。そのことは、市民の不満を増大させていただけでなく、非効率的な方法で仕事をこなすことに職員も疑問を感じていました。

 

ソリューション

エルジン市は、Boxのクラウドコンテンツ管理を活用した、複数のシステムを導入しました。これには、自動化されたセルフサービスの小規模ビジネスアプリケーションプロセスや、住民が市のサービスに直接接続できるアプリが含まれます。また、頻繁に市のサービスを利用する住民向けのケース管理システムをアップグレードし、市のリソースへの負担を軽減しました。
 

成果

住民はサービスの向上を感じられるようになり、職員は、単一のコンテンツプラットフォーム上に構築された簡素化されたプロセスにより、仕事をより効率的に行えるようになりました。ソーシャルワーカーや救急隊員などのチームは、支援を提供する際に互いに協力しやすくなりました。また、起業家は、完全にオンラインで新しいビジネスを市内で始めることができます。これまで1か月を要していたプロセスがわずか1週間で完了するという画期的な改善です。

都市の多くが、既得権益を持ってスモールビジネスの振興に関与しています。ビジネスの振興は、経済にとっても、市民にとっても、観光にとっても良いことです。しかし、新しくビジネスを始める起業家が、そのことをすべて理解しているとは限りません。スモールビジネスの立ち上げには、気が遠くなるほどの役所手続きを必要とするため、立ち上げの妨げになる場合があります たとえば、コーヒーショップや洗車場といった小規模のビジネスを始めたいと考えているオーナーは、開業に伴う申請や許可の取得、営業場所や経費などについて気を配る必要があり、それらに応じた手続きを都度行う必要があります。

膨大なプロセスと長い待ち時間が必要なのはこのためです。役所内では、すべてのビジネスが適切に運営されるように、さまざまな部門に情報を伝達する必要があります。このプロセスを合理化することは、起業家達に好影響を直接与えるだけでなく、市全体に利益をもたらします。

これは、エルジン市が小規模ビジネスの申請プロセスをクラウドに導入することを決定した理由でした。同市は、Boxのクラウドコンテンツ管理を使用して小規模の企業オーナー向けのポータルを立ち上げ、起業や運営に関するすべての手続きをナビゲートできるようにしています。ユーザーは自宅から事務処理、申請、料金支払いなどの手続きを行うことができ、また、画面上でプロセスの進捗を確認することができます。

「エルジン市にとって非常に革新的なことです。」とアシスタントシティマネージャーのローラ・バルデス(Laura Valdez)氏は言います。「Boxの導入により、ビジネスオーナーがわざわざ役所に出向いて手続きをする必要がなくなります。エルジン市と申請者の間のシームレスなコラボレーションが可能になります。」バルデス氏は、これまで30日以上かかっていた申請に要する時間が、わずか1週間程度になると予測しています。

 

単一の集約型コンテンツプラットフォームで市民により良いサービスを提供

シカゴ市の西約40マイルに位置するエルジン市は、イリノイ州で8番目に大きな都市で、115,000人が暮らしています。同市の行政は19の部門にまたがっており、その多くは警察、消防、近隣サービスといった公安上の課題に取り組んでいます。同市は、小規模のビジネスだけでなく市民を支援するサービスを可能にするソリューションとして、Boxのクラウドコンテンツ管理の導入を決定しました。

「私たちの目標はデジタル変革そのものではありませんが、それを達成しつつあります。」とバルデス氏は言います。「私たちの目標は、住民が直接またはデバイスを介してサービスを利用する際に、最善のエクスペリエンスを得られるようにすることです。この目標を達成するために、職員が仕事をしやすく、情報にすばやくアクセスできる環境を構築しています。このことが、住民に対するより高品質のサービス提供につながります。バルデス氏は、市内の技術エキスパートと共に、あらゆる種類のコンテンツと情報の一元化を目指しています。これには、住民の連絡先情報、不動産や都市森林のデータ、水道メーターや消火栓の場所、および市が追跡しなければならない他のすべての資産の情報が含まれます。 

「私たちとビジネス上の関わりがある人にも、簡単な手続きが必要なだけの人にも、私たちは正確な情報を彼らに提供するために日々働いていることを知ってほしいです。」と彼は言います。同市は、およそ10〜12テラバイトのデータを本年末までにクラウドに移行する予定です。コンテンツの一元化により、これまで実現できなかった多くのユースケースを提供することが可能になります。  

 

 「私たちは、適切な人を適切なタイミングで適切な情報につなげるするという、内部・外部の両方に向けた包括的なビジョンを持っています。そのため、私たちは、住民にとって重要な情報を表示および追跡できるデジタルスペースを作成しています。居住者、財産所有者、職員などすべての人が対象です。規模は膨大で、これまでに実現したことのないレベルのものになると思います。」

 イリノイ州エルジン市 アシスタントシティマネージャー ローラ・バルデス氏

 

イリノイ州エルジン市

行政と市民をつなぐアプリケーション

5年前、エルジン市は、住民に行政サービスへの直接回線を提供する311サービスを開始しました。緊急ではないリクエストは、コールセンター経由で処理されます。たとえば、住民が道路の陥没を発見し、それを報告するために311に電話したとします。住民がオペレーターに口頭でおおよその場所を伝えると、道路の陥没を修復するためのサービスリクエストが実行されます。しかし、その報告には住民の主観的な意見が含まれている場合があるため、その問題がどれほど重大なのかを正確に知ることはできません。そのため、市にとって問題の優先順位付けをするのは困難です。また、その住民はいつ修復作業が実施されるのかを知ることができません。 

SalesforceとBoxの統合によって提供されるソリューションが、この問題を解決します。この場合、住民は、市のBox対応アプリを使用して現場の写真を撮影し、アップロードするだけで報告が済みます。写真には自動的にジオタグが付けられるため、現場の位置を正確に把握することができ、その重大度を視覚的に判断できます。この情報は自動的に適切な部門に回されます。その後、現場の近隣の担当者に業務が割り当てられ、修復作業が行われます。修復作業の予定日が決まるか、実際に作業が完了すると、アプリによってその住民に通知されます。

イリノイ州エルジン市

 

Boxのクラウドコンテンツ管理とSalesforceの顧客管理ツールの統合によって実現したこの機能は、より効率的なプロセスを同市にもたらし、より満足度の高い体験を市民に提供します。同市はまた、Office 365への移行に伴い、Boxと統合することを計画しています。「Boxは実質的なコンテンツレイヤーになります。」とバルデス氏は言います。「Boxを主要なコンテンツプラットフォームとして活用するのに役立つツールセットを探しています。」

 

「私たちは、内部ユーザーだけでなく外部とのコラボレーションも考慮する必要があります。Boxが提供する機能と柔軟性は、これまで手に入れることができなかった透明性、利便性、確実性を同時にもたらしてくれます。これは、すべての行政組織に不可欠なものです。」

イリノイ州エルジン市 アシスタントシティマネージャー ローラ・バルデス氏

シームレスでセキュアな、機関の枠を越えたコラボレーション

BoxとSalesforceの統合を活用し、エルジン市は、コミュニティサービスを頻繁に使用する住民を支援するためのケース管理システムも作成しました。たとえば、ある住民は最近、依存症と精神疾患のために1年間に77回の病院輸送を必要としました。このことは、警察、消防、病院、社会サービスなどのさまざまなサービスにおいて負担となっていました。

さまざまな行政機関に所属する多くのケースマネージャーや職員が、そのような人々を支援するためのより良い連携方法を必要としています。エルジン市は現在、SalesforceとBoxを活用して、頻繁にサービスを利用する住民向けのユースケースを設定する中央リポジトリを開発しています。

「エルジン市では、頻繁にサービスを利用する人だけでなく、すべての人のために安全で健康的なコミュニティを作成するよう努めています。」とバルデス氏は言います。「単一のプラットフォームでコンテンツを一元化することで、異なる機関の専門家との共同作業がしやすくなります。支援を必要とする人々により良いケアを提供し、安定した生活ができるようサポートすることができます。」

当然のことながら、市民の個人情報を使用するアプリケーションは、データを慎重に保護できなければなりません。Boxは、強力なコンプライアンス機能を備えた、堅牢な共有権限の設定が可能なソリューションです。市民は間もなく、このシステムを介してあらゆるサービスを利用できるようになるでしょう。ケースマネージャーや職員などの関係者は、特別なサポートが必要な住民を支援するために、リアルタイムで共同作業を行うことができます。

 

「コミュニティにとって軽視できない優先事項は存在しますが、住民に寄り添った対応ができないならば、必要なことを提供できていないのと同じです。」

 イリノイ州エルジン市 アシスタントシティマネージャー ローラ・バルデス氏

Boxのセキュリティ機能を最大限に活用

Boxに組み込まれているコンプライアンス機能を活用することに加え、「私たちはアクセスを真剣に捉えており、適切な条件を反映するためにアカウントとフォルダを構造化しました。」とCTOのジェフ・マッシー(Jeff Massey)氏は言います。ファイルとフォルダは、条件に適合するユーザーのみがアクセスできるように設定されており、マッシー氏のチームでは、コンテンツの効率的な使用を促進するために、職員に対する実践的なトレーニングを実施しています。トレーニングでは、できるだけフォルダ全体ではなくファイルを共有することを推奨しています。問題が発生した場合は、彼のチームはいつでも権限を取り消すことができます。「私たちは、Boxのセキュリティ機能を最大限に活用しています。」

コラボレーションの容易さとスムーズなセキュリティ機能により、同市は速やかにBoxに移行することができました。この移行は、デジタルディスラプションの時代の行政にとっての重要なステップです。「テクノロジーの理解と実用が、IT部門という1つの部門にのみ存在していた時代は終わりました。」とバルデス氏は言います。「顧客や住民により良いサービスを提供するためにテクノロジーを活用する先進的で進歩的な組織では、その組織内の一人一人が、そのテクノロジーを実際に使用し、その価値を理解する責任があります。」 

「職員だけでなく、一般の人々に対しても、常に最高のエクスペリエンスを提供し続けたいと思っています。」とマッシー氏は言います。「その思いに忠実に行動していれば、適切なテクノロジーを見つけることができます。私たちにとって、Boxとの出会いがまさにそれです。」