オリンパス

営業・マーケティングの業務プロセスを加速

課題

オリンパス(Olympus Corporation of the Americas)は、世界経済の競争に打ち勝つために、新製品をより早く市場に投入したいと考えました。そのためには、M&Aプロセスの効率化、進化する規制への迅速な対応、デジタルワークプレイス全体の運用効率の向上が必要でした。 

 

ソリューション

オリンパスの営業部門では、請求書、契約書、見積書など、顧客との間でやり取りされるドキュメントを管理するための中央ハブとして、Boxを使用しています。また、マーケティング部門は、主要なグローバルキャンペーンを市場に投入するための共同作業にBoxを使用しています。Boxによって集約されたコンテンツはすべて部門で利用できます。 

 

成果

営業担当者は、Boxを介して顧客と容易にコラボレーションができるため、取引をより迅速に完了できるようになりました。また、マーケティングキャンペーンがより効果的かつ迅速に開始できるようになりました。Boxでコンテンツを集中管理することで、従業員の生産性が向上し、コンプライアンスとセキュリティに対するリスクが軽減されました。 

長年にわたってテクノロジーに多額の投資を行い、基盤が確立している組織にとって、デジタルワークプレイスへの移行には、将来を見据えたリーダーシップが必要となります。IT部門の老朽化したテクノロジースタックを大規模な組織に強制しようとしても、今日求められる厳しい要件には対応できません。その代わりに、オリンパスをはじめとする大企業は、アジャイルな思考と長期的な視点でこのような変更に取り組んでいます。

オリンパスは、医療・ライフサイエンス技術、産業用ソリューション、カメラやオーディオ製品など幅広い分野で事業を展開しています。そのすべてにおいて、人々の生活と社会全体に良い影響を与えるという共通の理念を有しています。その精神は、オリンパスの製品だけでなく、従業員にも浸透しています。オリンパスでは、技術決定においてすべての権限を持つITリーダーを任命する代わりに、ユーザーのニーズに積極的に対応する技術チームを育成してきました。

そのチームを率いてアメリカ地域を担当するのが、情報技術およびビジネス最適化担当副社長を務めるエイドリアン・マーシュ(Adrian Marsh)氏です。18年間にわたって財務、事業運営、販売管理を経験してきたマーシュ氏は、同社のビジネス面について熟知しています。5年前にテクノロジーの意思決定者としての役割を担ったとき、彼はそこにも独自のビジネス視点をもたらしました。マーシュ氏は現在、組織の効率性を促進する新しい技術を導入することに焦点を当てています。それは、独立した事業部門、M&A活動、複数のIT組織などによって長年にわたって自然に蓄積されてきたサイロに対処し、それぞれが持つ独自の技術に対応するためのものです。

 

「ここ数年は、統一したアプローチでITを提供するために、新しいテクノロジーの導入とIT組織のサイロ排除の両面で対処してきました。」

オリンパス 副社長 エイドリアン・マーシュ氏

 

ユーザーのニーズに応じて変化する

分断されたテクノロジーサイロの管理が困難であることに加えて、オリンパスでは、過去10年間のさまざまな理由により、デジタルワークプレイスへの移行の必要性が高まっていました。また、情報セキュリティ、データプライバシー、その他の進化する規制に対する要求の高まりと共に、包括的なコンプライアンスのニーズも深まっていました。さらに、世界経済においては、製品を迅速に市場に投入するというプレッシャーが増大しています。オリンパスでは、合併や買収によって多くの新しいユーザーとツールが組織のプロセスにもたらされました。職場には若い世代が増え、彼らがすでに私生活で使用しているような最先端のツールに対する需要が高まっていました。 

マーシュ氏は、このようなITのコンシューマライゼーションという課題に常に直面しています。「会社のITサービスを自由に購入できるのなら、悩むことはないでしょう。」とマーシュ氏は言います。ベンダーは多くの場合、ITとは関係のない分野から取引を始めようとしますが、これは、技術環境の断片化を増やす可能性があります。「これは古くからのITユーザーにとって非常に魅力的に思えるかもしれません。当時のITは、旧来のシステムを前面に置き、一元化されてモノリシックであり、変化の遅い組織で使われてきました。」

彼の目標は、モノリシックなエンティティとしてのITの認識を、より大きな組織内の個々のチームを積極的にサポートするエンティティに変更すると同時に、ガバナンスを制御することでした。そのために、ビジネスのニーズに耳を傾け、セキュリティとガバナンスを損なうことなく、それらのニーズを満たすソリューションを提供するアプローチをとりました。

例えば、彼は従業員のニーズに応えるソリューションとしてBoxを提供していますが、コンテンツガバナンスはオリンパスの定義に沿うように維持しています。

 

 デジタルワークプレイスにおけるモビリティの重要性

同社の統合マーケティングコミュニケーションディレクターを務めるクリスティン・デュボルグ(Christine Duborg)氏は、コンテンツ管理のために日常的にBoxを使用しています。「私はスマートフォンから仕事をすることが多く、外出中にすぐにコンテンツにアクセスできないと、ストレスを感じます。」とデュボルグ氏は言います。「以前は、共有ドライブ上のファイルに依存していましたが、PCからでないとアクセスできませんでした。Boxを使い始めてからそれは必要なくなりました。それだけでも私にとっては大きなメリットです。」

 

「私の仕事は私の人生そのものなのです。」

オリンパス 統合マーケティングコミュニケーションディレクター クリスティン・デュボルグ氏

 

デュボルグ氏のチームは、クラウドベースのコンテンツ管理ツールを自由に使用できることで、社内外のパートナーと迅速かつ柔軟に作業することができるようになりました。引き続き共有ドライブにアクセスすることはできますが、彼女はこれまでの仕事のやり方を変えたため、共有ドライブを使用することはなくなりました。デュボルグ氏は、あるマーケティングキャンペーンのために、東京の本部や、ヨーロッパ、アジア地区の同僚と共同作業をすることがあります。その際に、Boxを使用してモバイルデバイスから直接コンテンツにアクセスし、共有しています。その後、他のチームもBoxを採用したため、グローバルなコラボレーションがはるかに容易に、迅速に、スムーズになりました。 

セキュリティの侵害を心配することなく、あらゆるデバイスでファイルを共有できることは、他国のチームと仕事をすることが多いマーケティング部門にとって、仕事がやりやすくなるだけでなく、安心感ももたらしています。 

優れたツールで業務プロセスをデジタル化

オリンパスは、業務プロセスの変革には、新しいテクノロジーを段階的に展開していくことが肝心だと考えていました。同社は、多くのビジネスユニットと事業チームで構成されており、すべての組織が独自のプロセスと技術ニーズを持っているため、新しいソリューションの導入を全社的に強制するわけにはいきません。また、優れたテクノロジーを展開するだけで、非効率な企業プロセスが自動的に修正されるわけでもありません。現場のユーザーと共に、適切なプロセスとは何かを事前によく検討する必要がありました。

一例として、同社の電子署名ソリューションの導入が挙げられます。同社の事業部門のいくつかは、過去数年にわたってデジタル署名技術を徐々に採用し、事務処理プロセスを高速化していました。マーシュ氏は、特にドキュメントの承認に関して、社内での非効率的なプロセスがいくつかあることに気づいていたため、社内の全員が導入初日からその技術を利用できるようにしました。

「会社に新しいツールを提供して、すぐ移行できる、何も問題ないと言うのは、私は決してやってはいけないことだと考えています。」そこでビジネスプロセスアナリストを配し、デジタル署名技術を活用するプロセスを合理化することにしました。人とプロセスの準備ができれば、体制は盤石です。 

 

「現在は、テクノロジーによってプロセスが合理化されています。高価なテクノロジーを使用した不良プロセスとは対照的です。」 

オリンパス 副社長 エイドリアン・マーシュ氏

 

Boxによるクラウドコンテンツ管理は、それを必要とするグループから徐々に導入が進みました。ITチームにモバイルやグローバルコラボレーションの障害に対する解決策を求めたグループや、別のグループがそれを使用しているのを見て使うことを希望したグループなどが最初の対象となりました。

同社のデジタル変革に最も消極的だった事業の1つが、医療営業グループでした。しかし、Boxが導入され、チームの日常業務が他のクラウドベースのソリューションと統合されたことで、従業員の生産性と効率が向上しました。Boxの専用フォルダにある請求書、契約書、見積書に簡単にアクセスすることができ、Boxを介して顧客に見積書を送信することもできます。彼らは以前、電子メールやフラッシュドライブなどの安全ではない方法でこれらの文書をやり取りしていましたが、今はその方法は使っていません。この合理化されたプロセスにより、販売サイクルの期間が大幅に短縮され、ビジネスのしやすさについて顧客からの肯定的なフィードバックが増えました。 

 

「優れたユースケースは、異なる分野にも広まっていきます。」

オリンパス 副社長 エイドリアン・マーシュ氏

 

多世代に対応するデジタルワークプレイスの構築

オリンパスでの変更作業は、すべてのユーザーにサービスを提供しながら、機密情報を安全に保つ方法によって、管理しやすいペースで進める必要がありました。同社や旧来のシステムを使い続けている他の多くの企業にとっての難問は、企業全体の技術統制や変更管理の負荷を考慮した場合に、急速な技術革新や絶え間なく出現する新しいツールを導入することが必ずしもメリットにつながらないことです。 

「私たちが直面している最大の問題は、従業員の世代間ギャップです。」とマーシュ氏は言います。「私たちは現在、大きく分けて4つの世代の従業員を抱えており、そのことが技術面の課題をもたらしています。「私たちの課題の1つは、適切なツールを適切な従業員に提供するだけでなく、組織の基盤となるデータセキュリティを一貫して提供することです。」

マーシュ氏は、デジタルイノベーションは今も進化していると考えています。そのため、社内のテクノロジースタックの進化に合わせて、適切なツールの提供と、生産性向上のバランスをとることを目指しています。 

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